2回目 何を伝える写真なのかを事前に考えて撮影しよう!

    2回目 何を伝える写真なのかを事前に考えて撮影しよう!

     

    ウェブサイトをもっと充実させたい。ウェブサイトにおける写真の力は大きい、と感じている人も多いでしょう。

     

    けれども、写真を思ったように撮れないという方も多いかと思います。

     

    前回はレンズやカメラの特性、使って欲しい機能や道具について解説しました。

    第2回も楽しく学んでいきましょう。

    (前回の内容「1回目 撮影するために何を準備したらいいの?」はこちら

     

     

    登場人物

    あきちゃん

    ナベせんせい 


     

    ナベせんせい、カフェのウェブサイトを作っていますが、何をどう撮影したらよいのか迷っています。撮影で注意することはありますか?

     

    そうですね〜、伝えたいことをわかりやすく伝えるために、写真はとても効果があります。ですが、サイトオーナーさんはつい自分の強みだと思うことばかりをとにかく伝えようとして、関連する写真をただただたくさん掲載していたり、伝えたいことと写真がチグハグになってしまっている、ということもよく見受けられます。効果的に写真の力を使うためにも、ここではおさらいをしながら、追加すべき写真を考えていきましょう。

     

    お店にはどのようなお客さんが来られますか?

     

    お客様の雰囲気や年齢層は割と幅が広いのですが、女性客が多いです。

     

     

    女性ですか。

    今のサイトではどのような写真を掲載していますか?

     

     

    こんな写真を掲載しています。

     

    女性向けの写真でとてもよく撮れていると思います。

    食べ物の撮影には最適な暖色系の色使いで食欲も湧いてきますね。

     

    ありがとうございます。

    食べ物はこだわっているので頑張りました。

     

    ほかに伝えたいことはありますか?

     

    お店の雰囲気を来店したことのない方にもっと伝えたいです。混む時間と空いてしまう時間がはっきりしていて、混む時間は常連さんがほとんどなので、もっと新規のお客様に来店してもらうためには、店内の雰囲気を伝えることも大事だと考えているのですが、他にどのような写真があればより魅力的に感じてもらえるか悩んでいます。

     

    今一度あきちゃんのお店の魅力を見直してみましょう。

    お店のウリやおすすめポイントを書き出しましょう。

     

    はい!

    お店のウリはたくさんあります。

    • スイーツだけではなく美味しいランチ
    • 広い店内
    • 一人でも複数人でも入りやすい雰囲気
    • 座り心地のよい椅子やソファー

     

    それは素敵ですね。

    老若男女問わず好まれそうなお店だと思います。

     

    ありがとうございます。

    ではすでに食事は評価されているかもしれませんが、

    ランチメニューを撮影し掲載しましょう。

    しっかり食べられるお店だと伝わることが大切ですね。

     

     

    このような写真があればランチタイムだけでなく夕食のイメージもつきそうですね。

     

     

    次に店舗ですね。

    食事の内容だけではなく店内の雰囲気が大切だと思うお客様も多いと思います。

     

    人がいない状況で撮るんですね。 

     

     

    全体を見渡せる写真が掲載されていると、一人でも入りやすいことや、座りやすいこだわりの椅子、空間のゆとりなどが一目瞭然だと思います。

     

     

    そうですね。

    こういう広めの写真が集客につながりますか?

     

    よいところに気がつきました。

    引きの写真はお店を客観的に説明するという意味があります。

    ここからはもう一歩踏み込んだ写真が求められますね。

     

    人の気配が感じられる写真を掲載するのはいかがですか?

     

    コーヒーを飲みながら仕事をしている女性の写真です。

    一人で入っている様子を写真にしました。

    複数人で食事だけではなく、ティータイムに打ち合わせをする様子の写真です。

    ゆっくりしている様子もよいかと思います。

    どのような椅子やソファーがあるか撮影するのもよいでしょう。

     

    より具体的になってきましたね。

    お店で過ごす様子をイメージしやすくなりました。

    よい意見だと思います。

    説明のための写真だけではなく、実際にお客様が使用しているような写真があることで自分ならどう過ごせるかを考えることでしょう。

     

    他に考えるポイントはありますか?

     

    店員さんの顔が見えると、お店にきやすくなるかもしれませんね。

    お顔がはっきり見え目線がある写真もよいですし、

    作業風景を撮影してもよいでしょう。

     

    いかがでしたか?

    これまでに掲載していなかったタイプの写真を撮影しウェブサイトに掲載することで、

    みた人は自分のニーズに合っているかの判断材料となることでしょう。

     

     

    お店に行く前に、どんな風に過ごせそうか自分が行った時のことを想像させることが大事なんですね。

    そうですね。

    これらの写真はもれなく撮影前に『こんな写真が撮りたい!(こういうことを伝えたい)』という考えと準備が必要です。また撮影した写真は『こんなお客様に来て欲しい!』という考えのもとで撮影して、ホームページに掲載しましょう。

     

    写真を通してお客様へあきちゃんの考えは伝わるものです。

    今後お客様の流れが変わることを期待しています!

    ありがとうございます!

    早速お店に帰って、撮影してみようと思います。

    あ、そうだ!

    撮影前にどのような写真を撮るべきか考えることでしたね。

     

     

    次回は味気ない写真を飾る方法についてナベせんせいに聞いてみよう!

    この記事を書いた人

    鍋坂 樹伸(なべさか・しげのぶ)

    1975年、兵庫県姫路市生まれ。中央学院大学商学部商学科卒業。香川県高松市在住。東京都内の印刷会社営業職を経て、2003年に実家が運営する「コマーシャルフォト サン・スタジオ」入社。広告写真家として活動し、食品・洋服・人物・風景など、さまざまなジャンルの撮影に対応。2012年より専門学校 穴吹デザインカレッジにて非常勤講師をつとめるかたわら、企業や団体が主催するセミナーでも講師をつとめる。

    CSS Nite in TAKAMATSU オフィシャルフォトグラファー。

     

    著書『Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本~段取りから準備、撮影テクニック、実践ポイントまで~』(マイナビ)。