「見せたい記事」と「見たい記事」は違う!訪問者の目線になって記事を書こう

    「見せたい記事」と「見たい記事」は違う!訪問者の目線になって記事を書こう

    ホームページを作成するときに必ず必要になるのが「文章」です。思いがたくさんつまった商品やサービスを紹介するときに、「あれも言いたい」「これも言いたい」とついついたくさん書いてしまって、逆に伝わりにくくなってしまったということはありませんか?逆に、説明文があっさりし過ぎて、そっけない雰囲気になったり。

     

    せっかく書くのであれば、一人でも多くの人に伝わる文章にしたいですよね。本稿では、ホームページに掲載する文章のコツについて解説します。 

     

    「伝えたいこと」と「相手が知りたいこと」の違い

    突然ですが、ホームページは誰のためのものでしょう?

    もちろん、「持ち主」という意味では契約した貴方がオーナーであることは間違いありません。ただ、実際に「読む人」という意味でいうと、訪問者のためのものであるとも言えます。

     

    特にビジネス目的でホームページを開設している人にとっては、「契約(購入)やお問い合わせに繋がる」ページのほうが断然いいですよね。そうすると「訪問者の目線」で書いた方がより伝わるページになるような気がしませんか?

     

    例えば、検索エンジンから「エアコン修理 新宿」というキーワードで検索した人が、あなたのホームページに着地したとしましょう。その時に、どんなページだと良さそうでしょうか?

     

    A:トップページ

    B:エアコン修理サービスについて簡潔に説明したページ

    C:エアコン修理サービスについて丁寧に説明したページ

     

    こちらは「C」と答えた人が多いのではないでしょうか?実は、BとCどちらとも言えない部分があるのです。

     

    ここで「エアコン修理 新宿」で検索する人の心理を想像してみましょう。いろんなシチュエーションが考えられますが、例えば以下のような状況にある人が検索したと想定しましょう。 

     

    (1)とくにかく今すぐ修理して欲しい人

    思いがけず、エアコンが壊れてしまった。連日、真夏日で熱中症も心配。とにかく今すぐ修理に来て欲しい

     

    (2)今すぐではないが、いずれ修理を依頼したい人

    エアコンが壊れているわけではないが、時々調子が悪いことがある。そろそろ修理する業者を見つけておこうかな

     

    このような状況を想定して文章を考えてみます。

     

    訪問者が知りたいことって何だろう?

    今すぐ修理して欲しいと思っている人と、いずれ依頼したいと思っている人では、知りたい内容や項目が異なってきます。

     

    (1)とにかく今すぐ修理して欲しい人が考えていること

    • いつ来てくれる?今すぐ修理は可能?
    • いくらでできる?
    • どんな人が担当する?
    • 実績は?技術的に信頼できる?

     

    など、とにかく「いつ来てもらえるか?」が一番の懸念材料ではないでしょうか?もちろん料金やどんな人が担当するかも気になりますが、とにかく1日でも早く修理したい人にとっては「いつ?」が最も知りたいことだろうと仮定します。

     

    (2)今すぐではないが、いずれ修理を依頼したい人が考えていること

    •  いくらでできる?
    • どんな担当者が来る?
    • どのぐらい前に予約すればいい?
    • 他の顧客の感想やレビューはあるかな?
    • 何社か比較して検討してみようかな

     

    この場合、検討する時間があるので、じっくりページを読むことができるし、何社か比較検討する余裕もあると考えられます。

     

    このように想像してみると、(1)(2)では以下のように伝える内容が変わってきます。

     

    (1)

    (2)


    もちろん急ぎで対応できる体勢がないときは「迅速に」とは書けませんので、その場合は(2)のパターンで、自社の強みや他社との違いなどを記載します。業務内容やサービスの特徴に合わせて、文章も使い分けができるといいですね。

     

    こうして考えていくと、(1)については「エアコン修理 新宿 急ぎ」とか「エアコン修理 新宿 当日」などの検索語句で訪問者が来ることも考えらます。その時に、上記のサンプル文のように、「急ぎ」の人が求めている情報を素早く提示することが有効であることは、ご理解いただけると思います。

     

    ついつい陥りがちなワナ「自分目線」

    ここで、エアコン修理業をやっている貴方が、今夏の繁忙期に備えて新しい修理の機器を導入したとしましょう。

     

    「当社の修理技術は、日本発のスペシャルテクニカル・デベロッパーースタイルを導入。アクティブ・スキル・コンビネーションを装備した最新鋭のツールを使っておこないます」

     

    このような文章を、ホームページに記載しました。この文章を読んだ人はどのように感じるでしょうか?最新の技術を導入したことは、確かにすごいのかも知れませんが、これは本当に顧客が知りたいことですか?

     

    利用者側が知りたいことは、「いつ来てくれるのかな?」「すぐに対応してくれるのかな?」「修理が終わって不具合がまた出たときのサポートはあるかな?」「電話したときの雰囲気はいいかな?」「どのぐらいの時間で終わるかな?」などであって、最新技術の内容を知りたいわけではないんですよね。

     

    どうしても最新鋭の機器について書く必要があるのであれば『(最新鋭の機器を導入したから)従来の半分の時間で修理が完了します』相手へのメリットを付け加えるようにしましょう。

     

    3つのステップで訪問者の目線を意識した文章を書こう

    誰かに対して伝えたい文章は、相手の目線に立って書くことがとても重要ということを解説してきました。とはいえ、文章を書くことさえ難しいという人がさらに「訪問者の目線」で書くとなると、とても難しく感じるかも知れませんね。そこで、次の3つのステップで書いてみてください。

     

    ステップ1:箇条書きで伝えたいことを書いてみる

    まずは箇条書きで、言いたいこと、伝えたいことを書きだしてみましょう。この時点では、思いついた順でOKです。どんどん書いてみて。

     

    ステップ2:書きだしたものを取捨選択

    自分が言いたい情報か訪問者が欲しい情報かを考えながら、書きだした項目を取捨選択していきます。

     


    ステップ3:取捨選択したものを材料として、文章を組み立てる

    ステップ2で取捨選択した項目をもとに、文章を組み立てます。この練習を何度もしてみてください。文章力がアップするはずです。

     

    慣れてきたら「急いでいる人むけ」「じっくり比較したい人むけ」など、何パターンが作ってみることをおすすめします。

     

    まとめ

    伝わる文章を作成するには「言いたいこと」ではあなく「相手が読みたいこと」を書くのがコツ。訪問者が何を意図してホームページに着地し、どんな情報を欲しがっているかを考えながら書いてみましょう。文章が苦手な人は、「3つのステップ」で組み立ててみてくださいね。

     

    この記事を書いた人

    志鎌 真奈美(しかま まなみ)

    Shikama.net 代表/JimdoExpert

    http://www.shikama.net/

    https://www.web-supporter.jp/

     

    北海道函館市生まれ。北海道教育大学函館校卒業。1997 年よりWeb制作を始める。ソフトウェア会社のWeb制作部門に 5 年間勤めた後、2002 年 4 月に独立。Web制作・企画・システム構築などに従事し、上級Web解析士として、Webサイトの改善や成果向上のコンサルティングも実施。講師として、Webマーケティングやデザインのセミナー活動も行っている。

     

    著書に『いますぐはじめる Web文章の「書き方」入門教室』(技術評論社)、「これならわかる! Googleアナリティクス 今日からはじめるアクセス解析超入門」(技術評論社)がある。