自由自在にデザインを楽しもう!こだわりのジンドゥーカスタマイズ事例

    特別な専門知識がなくても簡単にウェブサイトを制作できることが、ジンドゥーの最大の特徴といえますが、ただ簡単なだけでなく、デザインにこだわった本格的なウェブサイトが作れることも大きな魅力です。

     

    そこで本コラムでは、ジンドゥーエキスパートとしてこれまで200以上のジンドゥーサイトに携わった筆者が、ユーザー目線、制作者目線の双方から見た、ジンドゥーの特徴を活かして制作したウェブサイトをいくつか紹介します。

    [事例1]特定非営利活動法人 石巻復興支援ネットワーク やっぺす!

     

    まず1つ目は、宮城県石巻市のNPO法人「石巻復興支援ネットワーク やっぺす!」のウェブサイトです。このサイトは、もともとWordPressという別のツールで制作されていたウェブサイトからのリニューアルです。

     

    WordPressは非常に優れたウェブ制作ツールですが、作り方によっては更新できる箇所が限定されていたり、デザインを変更する際にコードを改修する必要があったりと、やや専門的な知識を必要とするケースが多いです。このサイトもまさに同じ状況で、ブログ以外の更新がほぼできない作りになっていたため、何年も前の情報や画像が掲載されており、すでに退職しているスタッフの紹介文が掲載されていたり、変化していく活動内容にウェブサイトが対応できていないなど、運営上の問題がいくつか見受けられました。また、スマートフォン用のレイアウトが制作されていなかった点も課題としてありました。

     

    ただし、総合的なデザイン面では不満はなく、ブランディングの観点からも見た目を大きく変更するべきではないとの判断から、サイトの見た目はほぼ変えずにジンドゥーで作り直すことにしました。

    見た目を変えずに機能面をアップデートする

    左がリニューアル前、右がリニューアル後のウェブサイト
    左がリニューアル前、右がリニューアル後のウェブサイト

    上の画像の通り、全体的なデザインのテイストや大まかなレイアウトに変化はありません。リニューアルというと見た目を大きく変えることをイメージしがちですが、時には「変えない」という判断も必要です。

     

    ジンドゥーでは「標準レイアウト」と呼ばれる40種類のレイアウトからデザインを選択できますが、今回のように完成図ありきで制作する場合は、どのレイアウトを選択するかが非常に重要です。できるだけ完成図に近い構造のレイアウトを選び、各コンテンツの配置や、フォント、カラーリングなどのスタイル調整をうまく活用することで、このようにほとんど同じ見た目のウェブサイトを作ることができます。

     

    しかし、見た目は似ていても機能面では大きくアップデートしています。すべてのテキストや画像はユーザー側で自由に変更できるように制作しており、これにより、活動内容の変化に対して柔軟に対応・更新ができるようになっています。

     

    また、ジンドゥーは全てのレイアウトが、スマートフォンやタブレット等の閲覧時にも自動で最適化されるレスポンシブデザインという仕組みとなっているため、課題であったスマートフォンからの閲覧でも、綺麗に表示されるウェブサイトに生まれ変わりました。

     

    ポイント

    • 別CMSや既存サイトのデザインを活かしたリニューアルの際は、できるだけ元サイトに近いレイアウトを選択するとカスタムが簡単。今回はRomeを使用した。
    • カラーリングや、フォントのサイズなども元サイトから抽出すると、イメージを継承しやすい。
    • 写真やテキスト、ブログなどは、更新しやすいように過剰な装飾は避けたほうが大崩れしにくい。

    [事例2] OMBAK BALI

     

    続いて紹介するのは、インドネシア・バリ島のサーフガイド「OMBAK BALI」のウェブサイトです。プロサーファーがバリ島内のサーフスポットを案内してくれて、さらにレッスンまでしてくれるという魅力的なサービスですが、まだ始まって間もない事業であることや、インドネシアと日本の物価の違いもあり、費用をあまり多くかけられないという条件がありました。そこで、できるだけ低価格での制作を実現するため、ジンドゥーでの制作を提案しました。

    制作の一部をユーザーに委ねることで低価格での制作を実現

    ジンドゥーの優れているところは、何といっても直感的な操作感です。ウェブサイトを作った経験のない人でも、少しレクチャーを受ければすぐに操作を覚えることができます。その特徴を利用して、コンテンツの一部をユーザー自身に作ってもらうようお願いしました。

    同じ構成のコンテンツが大量に掲載されているページ
    同じ構成のコンテンツが大量に掲載されているページ

    例えば、バリ島内のサーフポイントを紹介するページでは、[ポイントの名前][写真][説明文][特徴]の4つで構成されたコンテンツが、計38セット掲載されています。このような同じ構成のコンテンツを量産するタイプのページでは、はじめにこちらで型を作り、あとはユーザー自身でどんどん増やしていってもらいました。

    一般的に、ウェブサイト制作費の多くは人件費です。通常であれば制作者が行わないといけない作業も、ジンドゥーであればユーザーが自分で行うことができます。そうすることで、制作者側は工数を少なくすることができ、それはそのまま制作費用に反映されるため、ユーザーにとっても価格が安くなるというメリットがあります。このように制作作業の一部をユーザーに委ねることで、結果的に通常の半分ほどの費用で制作することができました。これはジンドゥーの特徴を最大限に生かした好例といえます。

     

    ポイント

    • 量産系のコンテンツは、型を作って複製することで簡単に更新が可能。
    • 数が多い場合は、カラムごと複製するとより楽に更新できる。
    • ビジュアルを印象的に見せたい場合は、背景画像が大きく表示されるレイアウトがおすすめ。特にこのサイトで使用したStockholmは自動で全画面表示になるためダイナミックな表現が可能。

    [事例3]株式会社ガイネン

    最後に、デザインが特徴的なウェブサイトを紹介しましょう。愛知県にある映像制作会社「株式会社ガイネン」のウェブサイトです。企業のCMからアニメーションの制作まで、映像に関する幅広い業務を行っている会社ですが、社名からも分かる通り「概念=ガイネン」を形にするというユニークなコンセプトを打ち立てています。そんな会社のウェブサイトが普通では面白くないということで、一般的なウェブサイトの構造を考慮せず、トップページにはタイトルとメニューだけという思い切った構成にしました。

     

    ここまで極端にシンプルな構成にしたのは背景を引き立てるためです。これは実際のウェブサイトをぜひ見ていただきたいのですが、背景のカラーバーの画像には昔のアナログ放送のように時々ノイズが走り、タイトルのテキストも反転するなど、さまざまなギミックが仕掛けられています。これは動画ではなく、jQueryというプログラムを使って動かしています。ジンドゥーにはこういったプログラムを組み込むこともできるので、ある程度の専門知識があれば表現の幅は一気に広がります。

    クリエイターが発信しやすいのもジンドゥーの強み

    YouTubeの埋め込み機能を利用して毎月アップされる動画
    YouTubeの埋め込み機能を利用して毎月アップされる動画

    サイトの主要なコンテンツは、ユーザー自身が更新しやすいようYouTubeの埋め込み機能を多用しています。ユーザーは、制作実績の映像などをYouTubeにアップし、URLを書き換えるだけで簡単に更新ができます。面白い取り組みとして、この会社では「次回予告」というショートムービーを毎月1日にアップするというのがお決まりとなっており、筆者も楽しみにしています。このように、クリエイターが自分でどんどん発信できるという点も、ウェブサイトに求められる重要な役割であり、更新が簡単なジンドゥーで制作する大きなメリットといえるでしょう。

     

    ポイント

    • jQueryなどのプログラムの知識がある方は、[ヘッダー編集]機能を使うことでより踏み込んだカスタムが可能。
    • 動画を多く組み込めば、YouTubeなどのリンク先URLを差し替えるだけで手軽にウェブサイトの更新ができる。
    • Sydneyレイアウトは、通常サイドバーやフッタ−に入る情報を、ハンバーガーメニュー内に格納できるため、コンテンツのみを表示するスッキリしたデザインが可能。

    用途に応じて自由にデザインできるのがジンドゥーの魅力

    今回紹介した3つのウェブサイトは、事業内容もサイトの目的もまったく異なり、一口にウェブサイトと言ってもさまざまな用途があることが分かります。このような多様化するニーズに対しても、デザインの自由度が高いジンドゥーは幅広く対応することができ、さらにユーザー自身で更新や発信が自由にできるという点で、非常に優れたウェブサイト制作ツールだといえます。ぜひ皆さまも、ジンドゥーを使ってウェブサイトの可能性を広げてみてください。

    この記事のライター

    服部 雄樹(はっとり ゆうき)

    株式会社服部制作室 代表取締役/JimdoExpert

    https://www.hattori-studio.jp/

     

    愛知県名古屋市出身。2014年までインドネシア・バリ島で活動し、世界各国のクリエイターと交流。多くの海外案件に携わる。帰国後、服部制作室を設立。Webサイトの制作だけでなく、各種WebサービスのテンプレートデザインやUI設計、セミナー登壇、コラムへの寄稿など精力的に活動中。"かっこいいを簡単に"をモットーに、海外のWebデザインを日本向けにローカライズした新しいデザインを提案している。

     

    著書に『ジンドゥークリエイター 仕事の現場で使える! カスタマイズとデザイン教科書 Webデザイナー養成講座』など。