Jimdo にはネットショップ機能が付属しています。この機能を活用して、実際に全国に商品を販売しているユーザーさんを見て、「自分も使ってみたい」と思う方もいらっしゃるでしょう。そこでネットショップの機能について、前編・後編と分けて解説していきますが、今回は「ネットショップ機能を使う前に準備しておきたいこと」にフォーカスし、スタート前に準備しておきたいことをご案内します。
ネット上にお店を開店するためには、商品や原稿以外でも事前準備をしておく項目がいくつもあることは意外と知られていません。逆言えば、準備さえしておけばスムーズに開店準備を行うことができます。ショップ機能を使ってみようと思っている人は、本稿を参考に、各ポイントをしっかり押さえておきましょう。
1. Jimdo のプランの確認をしよう
Jimdo はプランによって掲載可能な商品点数と支払い方法が異なります。おもな違いを覚えておきましょう。
プラン名(費用) | 商品点数 | 導入できる支払い方法 | クーポン機能 |
JimdoFree | 5点 | Paypal(クレジットカード決済)、テスト注文 | - |
JimdoPro(11,580円/年) | 15点 | Paypal(クレジットカード決済)、Stripe(クレジットカード決済)、請求書発行、銀行振込み、代金引換、メールによる確認連絡、テスト注文 | - |
JimdoBusiness(29,520円/年) | 無制限 | 有り |
※上記データは2019年1月現在の価格です。
商品点数が少ない場合は Free や Pro で、増えてきたら Business へアップグレードするという方法もあります。最初から本格的なネットショップを考えている場合は、Business 版がおすすめです。
2. 事前に準備しておきたいこと
ネットショップを始める前に、準備しておきたいことは次の通りです。
1)ネットショップを始める前に用意しておきたい機器類
必ず用意しておきたいもの
【パソコン・ネット回線】
Jimdo のネットショップ機能を使用するためには、パソコンから更新する必要があります。スマートフォンやタブレットしか持っていない場合は用意しておきましょう。同時にインターネットも繋がるようにしておきましょう。
【電話回線(電話番号)】
購入者による問い合わせ対応、特定商取引法により記載する必要がある、の2点から電話番号が必要になります。スマートフォンや携帯電話の番号でも可。
【メールアドレス】
購入者とのやり取りで必ず必要になります。スマホや携帯のアドレスではなく、必ずパソコン用のものを用意しておきましょう。Jimdo 契約時に使用したメールアドレスでもOKです。
あった方が良いもの
【プリンター】
各書類等の印刷に使用します。コンビニやスーパーにあるコピー機でも印刷できますが、対応数が増えて来たときには、やはりあると便利です。
最近は、スキャナーやコピー機能がついた複合機タイプのものが多くなっています。
【スマートフォン】
近年はスマートフォンユーザーが増えています。自ホームページがどのように表示されているか確認するためにもあった方がよいでしょう。
【デジタルカメラ】
スマートフォンでも商品撮影はできますが、より高品質な商品写真を撮りたい場合には、あった方がよいでしょう。
2)商品写真と原稿を準備しよう
ネットショップで販売する商品や価格を決め、原稿や写真を準備しましょう。スタート時は必要最低限のみにしておいて、徐々に増やしていくという手もあります。
▼商品の原稿を準備します
▼商品画像を用意します
商品一覧は、以下のように表計算ソフトなどを使って管理しておくと便利です。
※登録した商品は、CSV形式でダウンロードすることもできます。(エクスポート機能)
【商品番号は必要?】
Jimdo のショップ機能では、商品番号を使用することができます。商品点数が増えてくると、商品名だけでは管理しにくくなるケースがあります。また商品のラインナップが複雑だったり、似たような商品が複数ある場合には、商品番号を付けて管理すると便利です。
番号の付け方は任意ですので、必要に応じて英数を組み合わせたルールを作っておくと良いでしょう。
3)梱包用資材や同梱物を用意しておこう
商品を準備する際に、配送時に必要になる梱包資材や緩衝材などを事前に用意しておきましょう。ホームセンターなどでいろいろな種類の資材が販売されていますので、販売する商品に合ったものを吟味しましょう。ギフト系の商品であれば、贈り物用のラッピングの準備も必要です。
・梱包資材(箱、袋、段ボールなど)
・緩衝材(エアキャップ、クッションなど)
・ラッピング用品(リボン、ラッピング専用のペーパーや袋等)
・納品書のフォーマット
▼あると良いもの
・メッセージカード(購入者へのお礼を書いたメッセージカード)
・贈り先へのメッセージカード(ギフト商品の場合)
・カタログやチラシ(他商品の購入、リピート購入に繋がる可能性)
・お試し商品のプレゼント(キャンペーン中の商品など)
・おまけや粗品
・クーポン券(次回から使えるもの)
など、販売する商品の種類やおもな購入層のタイプに合わせて検討しましょう。
3. 事前に決めておきたい項目について
次にネットで販売するために決めておきたい項目について解説します。支払方法や配送方法の他、法律に関わる項目もありますので、しっかり押さえておきましょう。
1)支払い方法について
Jimdoで扱える支払い方法(決済方法)は次の通りです。JimdoFreeは、Paypal(クレジットカード決済)とテスト注文のみが導入可能です。
支払い方法 | 内容 |
Stripe(クレジットカード決済) | Stripeというサービスを通して、クレジットカード決済ができます。Stripe決済の導入には、あらかじめStripeにアカウントを登録しておく必要があります。 |
Paypal(クレジットカード決済) | Paypalというサービスを通して、クレジットカード決済ができます。Paypal決済の導入には、あらかじめPaypal側と「ビジネスアカウント」の契約しておく必要があります。 |
請求書を発行 | 注文後に別途費用がかかる場合など、あとから購入者あてにその費用込みの連絡が必要な場合に利用してください。 |
銀行振込み | 銀行振込で決済する方法です。 |
代金引換 | 指定の代引き業者を利用して決済する方法です。※配送業者とのシステム結合はしていないので、別途契約する必要があります。 |
メールによる確認連絡 | メールで料金とお支払先を指定する方法です。 |
テスト注文 | お試しの注文することができます。正式に開店する前にテスト注文で動作確認や流れのチェックをしておきましょう。 |
【StripeやPaypalの決済を導入する場合は、事前に契約が必要】
StripeやPaypalを利用してクレジットカード決済を導入する場合には、事前にStripeやPaypal側と契約しておく必要があります。個人の場合は本人確認書類(免許証、パスポート等)、法人の場合は、登記簿謄(抄)本などの提出が求められますので、準備しておきましょう。
※ いち購入者として、Paypalのアカウントを持っているという場合でも、「Paypalでの決済を導入する側」として使用する場合は、別途「ビジネスアカウント」の契約が必要になりますので、ご注意ください。
詳細は、各社の公式サイト内に案内がありますので、ご確認ください。
https://www.paypal.com/jp/webapps/mpp/how-to-signup-business
2)配送方法と配送料の設定について
配送方法は、宅配便やメール便、郵便など、扱っている商品の種類や大きさ、重さ等によって、最適なものを導入しましょう。複数の方法を使い分けるという手もあります。配送方法を決めたら、購入時に請求する配送料も決めておく必要があります。
▼設定できる送料の種類について
配送料の種類 | 内容 |
配送料 | すべての商品に対して、同額の配送料を設定できます。 |
タグ別の配送料設定 ※JimdoBusinessのみ |
商品項目で設定できる「タグ」(カテゴリーのようなもの)ごとに配送料を設定することができます。 例)アクセサリーのタグをつけた商品の送料は300円、ワンピースのタグをつけた商品の送料は600円 |
重量別の配送料 ※JimdoBusinessのみ |
商品の重量別に配送料を設定することができます。 例)1Kgから5Kgまでは1000円、5Kgから10Kgまでは2000円 |
商品毎の配送料 |
「注文ごと」もしくは「購入点数ごと」のどちらかを選んで配送料を設定することができます。例のような配送料設定にしたい場合には「購入点数ごと」を選択します。(商品登録をする際の「オプション」欄から設定可能) 例)Aの商品が2つ、Bの商品を3つ購入した場合は、合計5つ分の送料が必要 |
配送料無料 |
あらかじめ指定した金額以上の購入をした場合、配送料を無料にする設定ができます。 例)合計10,000円以上購入したら送料無料 |
最大配送料 | 購入者の配送料が一定額を越えた場合の上限となる配送料を設定できます。 |
【Jimdoでは地域ごとの送料設定はできません】
Jimdoでは、上述のように細かく送料を設定することができますが、地域ごとの配送料(都道府県ごと、あるいはエリアごと)を設定する機能がありません。
(1)全国一律、あるいは送料無料にする
(2)自動返信メールに、「正式な送料は後で通知する」という内容を記載して、個別に通知する
(3)支払い方法を「請求書を発行」にして、別途送料を配送料を記載した料金を通知する
上記のいずれかで対応することになりますので、この辺りも含めて検討しましょう。また、地域ごとの配送料を掲載したページを作成しておくと、購入者に対してわかりやすく情報提供をすることができます。
▼送料の掲載例
地域 | 都道府県 | 送料 |
北海道 | 北海道 | 1080円 |
東北 | 青森県 岩手県 秋田県 宮城県 山形県 福島県 | 972円 |
関東 | 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 | 972円 |
中部 | 新潟県 福井県 石川県 富山県 静岡県 山梨県 長野県 愛知県 岐阜県 | 756円 |
近畿 | 三重県 和歌山県 滋賀県 奈良県 京都府 大阪府 兵庫県 | 648円 |
中国 | 岡山県 広島県 鳥取県 島根県 山口県 | 540円 |
四国 | 香川県 徳島県 愛媛県 高知県 | 648円 |
九州 | 福岡県 佐賀県 長崎県 大分県 熊本県 宮崎県 鹿児島県 | 756円 |
沖縄 | 沖縄県 | 1080円 |
配送料の設定は、どのショップオーナーさんも多かれ少なかれ悩むところです。特にJimdoは、商品ごと、タグごと、重量ごとに個別設定ができても、上述の通り地域ごとの設定ができません。可能であれば、全国一律と決めてしまった方がスムーズかも知れません。
関連ページ:Jimdoヘルプ内・配送料
3)特定商取引法に記載する内容を決めておこう
ネットショップを運営する際「特定商取引法に基づく表記」が義務付けられています。以下のような項目をホームページ内に掲載しておきましょう。Jimdoのショップ機能には、特定商取引の記載欄がありません。利用規約の項目に一緒に記載するか、もしくは新規でページを作成し、そこに記載します。
・事業者の氏名(名称)、住所、電話番号
・事業者が法人の場合は、責任者の氏名も
・販売価格、送料
・代金の支払い時期、方法
・商品の引渡時期
・返品条件(ない場合はその旨)
・申し込みの有効期限(ある場合)
・販売価格、送料等以外に購入者等が負担すべき金銭があるときには、その内容および額
・商品に隠れた瑕疵がある場合に、販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
・いわゆるソフトウェアに関する取引である場合には、そのソフトウェアの動作環境
・商品の販売数量の制限等、特別な販売条件があるときには、その内容
・請求によりカタログ等を別途送付する場合、それが有料であるときには、その金額
・電子メールによる商業広告(メールマガジン)を送る場合には、事業者の電子メールアドレス
▼掲載例
項目 | 内容 |
販売業者 | ルドルフ野菜販売センター |
運営統括責任者 | ルドルフ・ジンドゥー |
住所 | 〒123-4567 東京都中央区xxxxxx町1-2-3-4-5 |
電話番号 | 012-3456-7890 |
申込有効期限 |
ご注文後7日以内といたします。ご注文後7日間ご入金がない場合は、 購入の意思がないものとし、注文を自動的にキャンセルといたします。 |
引き渡し時期 | 代引きの場合は、注文確認後の2・3営業日以内に、銀行振込・クレジットカード決済の場合は、ご入金確認後の2・3営業日以内に発送いたします。 |
お支払い方法 |
●代引き 配送時に商品と引き換えで配送員に現金でお支払ください。(代引き手数料はお客様負担となります。) ●銀行振込 以下の口座にお申込みください。(振込手数料はお客様負担となります。) xxxxx銀行 xxxxxx支店 普通口座 123456789 口座名義:ルドルフ・ジンドゥー ●クレジットカード決済 Paypal経由での決済となります。 |
商品代金以外の料金の説明 | 販売価格とは別に配送料、代引き手数料、振込手数料がかかる場合があります。 |
配送方法・送料 |
xxxxx運輸にて配送いたします。 送料は地域ごとに異なります。詳しくは、送料のページでご確認ください。 |
返品について | 品質管理には十分留意しておりますが、万が一何らかの問題がありました、商品到着後5日以内に担当までご連絡をください。 |
返品送料 | お客様都合による返品につきましてはお断りしております。なお、不良品に該当する場合は当方で負担します。 |
メールアドレス | rudorufu@xxxxxxxx123456.com |
ホームページアドレス | http://www.xxxxxxxx123456.com |
【覚えておきたい販売に関する法律】
ネットショップを運営する際、特定商取引法以外でも適用される法律がいくつかあります。該当する商品やサービスを取扱い場合はご注意ください。
・古物営業法(リサイクル品を扱う場合)
・通信販売酒類小売業免許(酒類を販売する場合)
・薬事法(医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などを扱う場合)
・景品表示法・不当表示の禁止(誇大広告、消費者誤認の防止)
・著作権(他サイトからの無断転載、ブランドロゴの無断使用など)
ネットショップを利用して購入する人の数は年々増えており、それに伴い自分でも販売したいというご相談が増えています。しかし、いざ始めようとすると、事前に準備しておくことや決め事が把握できていないために、結局オープンできないというケースは少なくありません。
「段取り八分」という言葉がありますが、ネットショップをオープンするには、この事前準備が最も大切です。逆に準備さえできていれば、ショップ機能の設定もスムーズに進むはず。本稿を通して、しっかりポイントを押さえておきましょう。